こんにちは、電機くんです。
最新2020年度の電機メーカーの平均年収と単独従業員数、平均勤続年数、平均年齢についてまとめました。有価証券報告書ベースでまとめています。
下記電機メーカーについてまとめています。
- SONY
- 日立製作所
- 東芝
- 三菱電機
- Panasonic
- 富士通
- NEC
平均年収と推移
メーカー別平均年収について、直近20年度は下記棒グラフの通りとなっています。TOP3はSONY、日立製作所、東芝の順となっています。単純に平均年収の値だけ見ると上位3社は他社に比べて100~200万円程高いように見えますが、社員の平均年齢(多くが年功序列なため)と分社化、売却等による従業員の変化等も気にする必要があります。そこについては下記平均年収の推移参照。
メーカー別平均年収の推移について。過去5年間(2016~2020年度)までをまとめています。TOP3は2020年度と変わらずSONY、日立製作所、東芝の順となっています。ただ、従業員数を見るとTOP3は削減傾向にあることがわかります。※有価証券報告書記載の提出会社の項目の従業員数を記載しています。所謂単独従業員数というやつ。
SONYの場合、2016~2017年度に大幅に従業員数が減っています。これはイメージング・プロダクツ&ソリューション事業を分社化(ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズに)。さらに、電池事業を村田製作所に売却したことによるものです。また、黒字リストラも行い人員整理を進めています。結果、平均年収が高くなっています。
日立製作所の場合、安定して平均年収は850万円以上となっていますがその中ではソニー同様に分社化、買収を進めて単独従業員数は減少しています。今やIT事業に力を入れているため、昔からある電気機器事業は分社化を進め、利益を増やした結果、年収の維持、微増につ繋がっています。
東芝に関しては不正会計問題でイレギュラーな変化しています。17年度に一気に単独従業員数が減り、18年度にさらに減、以降は微増しています。東芝はSONY、日立製作所とは異なり、会社存続のために事業の売却(ヘルスケアや半導体)をしていました。また、不正会計による財務悪化によりリストラもあったため従業員数が減っています。
他の三菱電機、Panasonic、富士通、NECについてはほぼ同じ年収ですね。単独従業員数について三菱電機が増加傾向、Panasonicは若干減少傾向、富士通、NECは多少上がり下がりがあるといった具合です。
平均勤続年数、平均年齢
メーカー別平均勤続年数について。単純にこの値が高いから永く勤められるというわけではなく、若者と年配者のバランスによって変わってきます。つまり、この値が大きいほど年配者が多い企業であることがわかります。平均勤続年数TOP3はPanasonic、東芝、富士通の順番となっています。この平均年齢についても平均年収同様に単独従業員の年齢から算出しています。
Panasonicは22年以上と他社に比べて永いことがわかります。ここからわかるのは社員の平均年齢が高く、年配社員の割合が多いということです。大学新卒22歳で入社して、60歳で定年退職する人数が同数いた場合、(60-22)/2 = 19年となります(22+19=41歳)。技能系(高卒)を含めていたとしても(60-18)/2 = 21年となることから新卒、若手社員の割合が少なく、年配社員の割合が多いことがわかります。結果の裏付けとして、Panasonicの平均年齢は45歳で他社が40~43歳なのに対して高いことから本結果が正しいことがわかります。
東芝は事業売却、リストラを進めた結果にも関わらず平均勤続年数、平均年齢が上がっているのは若手社員が転職で多く辞め、転職せずに残った年配社員が多いことがわかります。
富士通、NEC以降についてはPanasonicのところで記載した新卒の若手社員と年配社員の割合から考えられる平均年齢の数値により近いです。ただ、値からみるに若干年配社員の方が割合多いのだと思います。三菱電機が最も低いですがこれは平均年収の所に載せた従業員数が増加していることから考えると20~30代新卒、中途採用を多く実施していることによるものと考えられます。
まとめ
平均年収は年功序列の影響を受けるため、平均年齢が高い企業ほど大きくなる傾向があります。今回上げた企業ではSONY以外とPanasonic以外はその傾向が強いことが分かります。平均年収を算出する際、総合職のみで出すか技能社員も含めて出すかで値は変化してきますのでどこまで含めて算出されているのかを就職四季報で確認した方がいいと思います。平均勤続年数と平均年齢についてはこの値が高いと若手社員に比べて年配社員の割合が大きいことがわかります。今後、電機メーカーは更に人員整理を進めていくことが考えられる(最近、Panasonicもリストラの話が出ていた)のでこの値が大きい会社はよりリストラが進むことになるかもしれません。転職が一般化した時代ですので先を見越して転職活動の経験を積むことを考えたほうがいいかもしれませんね。
また、電機メーカーの労働環境については下の記事に書いています。興味があったらご覧ください。